〒330-0074 埼玉県さいたま市浦和区北浦和2-3-8 ノースピアR105
(北浦和駅東口から徒歩10分)
初回無料相談受付中
営業時間 | 9:00~19:30 (20:00まで電話対応可能) |
---|
定休日 | 土曜・日曜・祝日 (定休日でも電話対応可能) |
---|
2022年6月から中小企業にもパワーハラスメント対策が義務化されました。しかし未だに、「どこからがパワハラなのかよく分からない」という企業様の声をよく聴きます。今回は、そもそも『どこからがパワハラなのか』、そして『なぜパワハラ対策は効果が薄いのか』というテーマで、企業が行うべきパワハラ対策の進め方についてお話してみたいと思います。
改正された労働施策総合推進法(その一部がいわゆる「パワハラ防止法」と呼ばれています。)により、大企業では2020年から、中小企業では2022年から職場におけるパワーハラスメントについて、事業主に防止措置を講じることが義務付けられました。マスメディアでもハラスメント問題が取り上げられることが増え、世間ではパワハラはいけない、モラハラはいけないと多く方が認識しているはずなのに、個別労働紛争解決制度施行状況をみますと、ここ1、2年はコロナの影響もあって一時的に解雇の相談も増えてはいますが、労働相談件数で「いじめ・嫌がらせ(ハラスメント問題)」が令和2年度までで9年連続でトップとなっています。
つまり、現状ハラスメントは減っていません。なぜでしょうか。
➀経営環境・職場環境の変化
・競争の激化(グローバル化)により、社員のプレッシャーが大きくなっている
・正社員、パート、派遣、上司、取引先、単身赴任、取引先など、多様多様で複雑な人間関係と力関係が混在している
②労働者の変化
・年功序列、終身雇用から成果主義、能力主義への転換に伴い、転職への抵抗感が希薄化、労働市場の流動化、ワークライフバランスを大切にする考え方へ変化
・価値観の多様化や教育のあり方も変化し、またコミュニティの崩壊や、親以外に怒られた事がない、気が合う人としか付き合ってこなかったという世代が増え、ストレス耐性自体が弱まってきている
③ハラスメントに対する社会的認知度の向上
・ハラスメント防止措置義務化(法律化)による認知度のUP
・ハラスメントへの認識の定着、労働者の権利意識の向上、インターネットの普及、マスメディアの報道
このような社会的背景が、ハラスメント問題が生じやすい要因となっていることは、実際に否めません。
前項で述べましたように、確かに昔に比べて労働者の意識が変わった、訴えやすい環境になったというのは間違いありません。それでは労働者がオーバーに訴えているだけなのでしょうか。実際にはパワハラは減ってきているのでしょうか。いいえ、実態はまったくそうではありません。なぜでしょうか。
それは、パワハラを訴えられた加害者とされる方々のお話を聴いてみるとよく解ります。皆さん一様におっしゃいます。「指導の一環だった」、「部下を育てる為だった」、「本人の為だった」、そして何よりも「パワハラ行為なんてした覚えはない」のだそうです。反対に、ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)が問題にされることもあります。少し厳しく注意されただけで、パワハラだ、モラハラだと騒ぎ立てる方です。ご本人に言わせれば、「自分がパワハラと感じればパワハラ」なのだそうです。
そうなのです、何をパワハラだと思うかは、人や立場によって違うのです。パワハラに対する価値観は人それぞれなのです。この、考えてみれば至極当たり前の点に着目しなければ、パワハラ防止などできません。
厚生労働省発行の『職場のパワーハラスメント対策マニュアル』でも、定期的なパワハラ対策研修の実施が推奨されています。皆さまの会社では、パワハラ防止の研修会はもう実施されましたでしょうか。まだという企業様は、いつ頃行う予定でしょうか。まさか、研修を行わないなんていうことはありませんよね(わざと大げさに驚いてみます)。結論から申し上げれば、研修なしにパワハラ対策・パワハラ防止はあり得ません。
しかしながら、なぜ、何のために研修を行うのでしょうか。皆さま想像してみてください・・・。恐らく皆さまのその想像は、少し間違っています。そうです、「法律で義務化されたことだし、パワハラはやめましょう」と、社員の意識改革を促すために研修を行う…訳ではありません。ハラスメント研修は、道徳の時間ではありません。そもそも、大の大人の性格や考え方、価値観を変えることなど、誰にもできませんし、研修にそんな力はありません。
それでは改めて、何のために研修を行うのでしょうか。パワハラとは、なにか性格の悪い酷い上司が部下をいじめているようなイメージで捉えられがちですが、実はそのような問題上司のケースの方が稀で、実際には「パワハラをしている意識がない」、「自分がパワハラをしているとは思っていない」ケースが殆どです。だから研修を行って、人それぞれに異なっているこの価値観・パワハラの基準(どんな言動を行ったらパワハラとして処分されてしまうのか)を統一化してあげる必要がある訳です。私は研修の目的の8割以上はこれだと思っています。
いかがでしょうか。
まずは、お問い合わせください。